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コラム

2023.10.19

帯状疱疹ワクチンは助成が受けられる?自治体の助成制度を知って早めに検討を

帯状疱疹は50歳以上で増加し、80歳までに3人に1人が発症すると言われているとても身近な病気です。

帯状疱疹にかかると、症状が治った後にも神経痛が残って日常生活に影響を及ぼす「帯状疱疹後神経痛(PHN)」に移行するケースがあり、高齢になるほどリスクが上がるため帯状疱疹の発症予防がとても大切です。

帯状疱疹にはワクチンが存在し、免疫を強化して発症を予防することや発症時の症状を軽くする効果が期待されています。

帯状疱疹ワクチン接種に対して助成を行っている自治体も多いため、ワクチン接種費用の負担を軽くするためぜひ活用しましょう。

今回は、帯状疱疹のワクチンの種類や特徴と併せて自治体で受けられる助成制度について紹介します。

中村AJペインクリニックでは、帯状疱疹ワクチンの接種とともにブロック注射により帯状疱疹後神経痛を治療しておりますので、帯状疱疹についての心配や悩みがあったらすぐにご相談ください。

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、過去に水ぼうそうの原因となるウイルスに感染したことで発症する可能性がある病気です。

症状や発症部位に個人差がありますが、強い神経痛を伴うことが多く日常生活に影響をおよぼすおそれがあるため、予防や早期発見と治療が大切です。

ここでは帯状疱疹の原因やメカニズムと治療方法についてくわしく解説します。

帯状疱疹の原因と症状

帯状疱疹は、こどもの頃に感染して神経節に潜伏していた水ぼうそうウイルスが、再び活性化して神経に炎症を引き起こすことで発症します。

加齢や免疫力の低下、疲労やストレスなどが発症のきっかけになりますが、糖尿病やがんなどの免疫力が低下する病気が原因になることもあるため注意が必要です。

多くの場合、体の片側の一部にピリピリとした神経痛が現れ、続いて痛みのある神経の走行に沿った部分に赤い発疹が出るという特徴があります。

帯状疱疹の治療方法

帯状疱疹は水痘ウイルスが原因となるため、抗ウイルス薬の内服薬や外用薬を使用しますが、重症なケースでは点滴による治療が行われます。

さらに、痛みに対して内服薬や外用薬の鎮痛剤を使用しますが、眠れないほどの強い痛みがある場合には、神経の近くに局所麻酔薬を注射して痛みの神経伝達をブロックする「ブロック注射」による治療が行われます。

ブロック注射は神経の炎症による痛みを緩和させ、神経のダメージの蓄積を抑えるとともに血流を回復させるため、神経と皮膚の症状改善効果が期待できます。

中村AJペインクリニックでは、帯状疱疹の治療としてブロック注射をおすすめしており、症状や発症部位に応じて最適な注射を選択していますので、帯状疱疹を発症して少しでも痛みを感じたらぜひご相談ください。

帯状疱疹ワクチンとは

帯状疱疹を発症するきっかけはおもに免疫力の低下であるため、日頃から体調管理して免疫力が低下しないように努めることが重要です。

さらに、50歳以上であれば帯状疱疹ワクチンの予防接種が可能なため、接種を検討することも大切です。

帯状疱疹ワクチンは2種類ありますので、それぞれの特徴を解説しますのでぜひ参考にしてください。

帯状疱疹ワクチンの種類と特徴

帯状疱疹ワクチンは2種類あり、どちらを接種するかは自己判断により決定できます。

2種類のワクチンの予防効果や価格など、特徴の違いを知りどちらのワクチンが自分に合っているかチェックしましょう。

ビケン(従来型生ワクチン)

  • 種類:生ワクチン
  • 対象疾患:水ぼうそう、帯状疱疹
  • 接種回数:1回(皮下注射)
  • 費用:1回約6000円〜8000円(医療機関によって異なります)

ビケンは水ぼうそうのワクチンとして従来より使用されているため、帯状疱疹予防に関してのデータはありませんが、同等のワクチンにおいて帯状疱疹の発症予防効果は69.8%で、効果持続期間においては8年後に4.2%まで減少しているという研究があります。

副反応は50%程度で、注射部位の紅斑や掻痒感といった局所反応が見られています。

禁忌として、水痘ワクチンにアレルギーを起こした経験がある場合や妊娠中の女性、免疫異常の疾患を持つ人や免疫抑制をきたす治療を受けている人があげられているため注意が必要です。

シングリックス(不活化ワクチン)

  • 種類:不活化ワクチン
  • 対象疾患:帯状疱疹
  • 接種回数:2回(筋肉注射)、6ヶ月以内に2回接種必要で2ヶ月以上あけることが望ましいが、免疫不全などで医師が必要と判断した場合1ヶ月まで短縮が可能)
  • 費用:1回約18000円〜25000円(医療機関によって異なります)

シングリックスは帯状疱疹発症予防効果が50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%認められており、帯状疱疹後神経痛は50歳以上で100%、70歳以上で85.5%の減少率認められており、有効性に関しては少なくとも10年以上予防効果が持続することが確認されています。

シングリックスは不活化ワクチンのため免疫抑制状態の人でも接種可能であり、シングリックスに強いアレルギーを持つ人以外の禁忌がないという特徴があります。

参考:こどもとおとなのワクチンサイト
https://www.vaccine4all.jp/project_and_rule.htm#project-points

帯状疱疹ワクチンの自治体における助成制度とは

帯状疱疹ワクチンによる予防接種は、予防接種法に定められていない「任意接種」であるため、基本的に接種費用は全額自己負担になります。

しかし、各自治体の要件を満たす場合、助成により接種費用の一部および全額を負担してもらえる「公費補助の任意接種」となり、帯状疱疹の予防接種も含まれます。

日本の各自治体でそれぞれ独自の要件を定めているため、自分の居住地区について確認してみましょう。

全国の各自治体における帯状疱疹ワクチン助成一覧

全国保険医団体連合会HPによると、全国の自治体それぞれに要件が異なり、助成金額にも違いがあることがわかります。

自分や家族が要件に当てはまるか、以下をチェックしてみましょう。

https://hodanren.doc-net.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/230824_hzvccn.pdf

まとめ

帯状疱疹は50歳頃から発症しやすくなり、80歳までに3人に1人が発症するという統計があるほど身近な病気です。

発症を防ぐためには、日頃の免疫力の維持とともに帯状疱疹ワクチンの接種も効果的なためぜひ検討しましょう。

しかし、帯状疱疹ワクチンは任意の予防接種のため基本的に全額自己負担ですので、金銭的な負担を軽減するためには自治体の助成が受けられる場合は活用することをおすすめします。

また、助成対象外の場合や既に帯状疱疹を発症している場合などは、発症したと気付いたときすぐにペインクリニックに相談し、治療を始めて帯状疱疹後神経痛に移行しないことが大切です。

中村AJペインクリニックでは、帯状疱疹発症後すぐに適切なブロック注射による治療で帯状疱疹の痛みを軽減し、帯状疱疹後神経痛への移行を抑制するよう治療しておりますので、痛みに気づいたらすぐにご相談ください。

記事監修医師プロフィール

中村AJペインクリニック院長

中村 純

アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医