【症例写真】帯状疱疹がお腹に現れたときの状態を進行段階別に解説
帯状疱疹は全身のさまざまな部位に発症しますが、お腹も決して珍しくない発症部位の1つです。
本記事では、お腹の帯状疱疹の進行過程を症例写真とともに詳しく解説します。
お腹の帯状疱疹なら、中村AJペインクリニックへお気軽にご相談ください。
お腹は帯状疱疹が発生しやすい?特徴と発症割合

帯状疱疹は体のさまざまな部位に発症する皮膚疾患ですが、お腹周りも決して珍しい発症部位ではありません。
まずは帯状疱疹の基本的な仕組みと、部位ごとの発症割合を詳しく見ていきましょう。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、水ぼうそうと同じ『水痘・帯状疱疹ウイルス』が原因で発症する皮膚疾患です。
幼少期に水ぼうそうにかかった後、ウイルスは完全に体から消えることなく神経内に潜伏し続けています。
加齢や疲労、ストレスなどで免疫が低下すると、潜んでいたウイルスが再活性化し、帯状疱疹として現れます。
体の左右どちらか片側に限定された痛み・かゆみを伴う発疹が特徴的で、発疹は小さな水ぶくれに変化し、最終的にかさぶたとなって治癒していくのが一般的です。
部位ごとの割合
帯状疱疹は特に上半身に発症しやすい傾向があります。
発症部位別の割合は以下の通りです。
- 上肢~胸背部:31.2%(最も多い)
- 腹背部:19.6%
- 頭部~顔面:17.6%
- 腰臀部~下肢:17.2%
- 頸部~上肢:14.5%
お腹を含む腹背部は全体の約5分の1を占めており、決して珍しい発症部位ではありません。
お腹の帯状疱疹の進行段階と経過を写真付きで解説
お腹の帯状疱疹は初期の痛みから水ぶくれの形成、そしてかさぶたができて治癒するまで、段階的に症状が変化していきます。
お腹の帯状疱疹の変化を、初期症状から治癒まで写真付きで詳しく見ていきましょう。
初期症状から水ぶくれまでの変化
1.初期症状(皮疹が出る前)
お腹の帯状疱疹は、皮疹が現れる数日から1週間前に前兆症状として痛み・かゆみが始まります。
この初期段階では、お腹の片側に「ピリピリ」「チクチク」などの痛みが帯状に現れるのが特徴的です。
痛みの程度には個人差がありますが、多くの場合は強い痛みを伴い、夜眠れないほどの激痛になることもあります。
2.皮膚症状の出現
痛みとかゆみが出現した同じ部位に、写真のような赤みを帯びた皮疹(紅斑)が現れます。
紅斑はお腹の左右どちらか一方に帯状に細長く広がります。
離れた2カ所に同時に出現することはありません。
紅斑はブツブツと盛り上がる場合もあれば、平坦な場合もあります。
3.水ぶくれの出現とその特徴
その後、写真のように紅斑の上に大小さまざまな水ぶくれ(水疱)が形成されます。
水疱が帯状に並んでできることから『帯状疱疹』と呼ばれています。
かさぶた形成から治癒までの期間
4.帯状疱疹のかさぶたと治癒過程
お腹の帯状疱疹は水ぶくれが形成された後、約1週間で自然に破れ、さらに1週間ほどでかさぶたに変化します。
かさぶたが形成されてから約3週間以内に治癒し、多くの場合はきれいな皮膚に戻りますが、場合によっては瘢痕が残ることもあります。
皮膚症状の改善とともに痛みも次第に軽減していくのが一般的な経過です。
5.帯状疱疹の後遺症:帯状疱疹後神経痛(PHN)
注意すべきは帯状疱疹後神経痛という後遺症です。
お腹の皮疹が完全に治癒した後も痛みが持続する状態で、特に60歳以上の患者様の約3分の1に発症するとされています。
帯状疱疹後神経痛は治療が困難で、数カ月から数年にわたって続く場合があります。
他の皮膚疾患との見分け方のポイント
お腹の帯状疱疹は初期段階で虫刺されやかぶれ、ヘルペスなどと間違えやすいため、正しい見分け方を知ることが重要です。
帯状疱疹の場合、痛みとかゆみが先行し、初期は見た目の変化がないことが多いのに対し、虫刺され・かぶれでは痛みとかゆみと同時に赤みが現れます。
最も重要な見分け方のポイントは、帯状疱疹は必ず体の左右どちらか片側にのみ症状が出ることです。
お腹の場合も左右どちらか一方に限定され、帯状に集まって発疹が現れます。
症状が離れた場所に同時に出現することはありません。
お腹に帯状疱疹が出たときの対処法と注意点
お腹に帯状疱疹が現れた場合、適切な対処法を知っておくことで症状の悪化を防ぎ、早期回復につなげることができます。
医療機関を受診すべきタイミング、帯状疱疹特有のリスクを詳しく解説していきましょう。
病院に行くタイミングはいつ?受診の目安
お腹に帯状疱疹が疑われる症状が現れた場合、早期受診が極めて重要です。
片側のお腹に痛みとかゆみが現れた段階で、まずは皮膚科を受診しましょう。
まだ皮膚症状が出ていない場合は内科でも対応可能です。
治療は抗ウイルス薬を中心に行われ、軽症であれば飲み薬での治療が可能です。
しかし、症状が重い場合、免疫力が低下している場合は、入院して点滴治療が必要になることもあります。
帯状疱疹による合併症リスク
お腹の帯状疱疹では、皮膚症状だけでなく以下のような合併症が起こる可能性があります。
- 腹筋の麻痺によるお腹の膨隆(盛り上がり)・膨満感
- 便秘・イレウス(腸閉塞に似た症状)
- 下腹部に帯状疱疹が発症した場合、膀胱直腸障害による尿閉(尿が出にくい状態)
お腹の帯状疱疹では皮膚症状以外の全身状態にも注意を払うことが重要です。
お腹の帯状疱疹の治療なら中村AJペインクリニックへ!【症例写真付き】
中村AJペインクリニックでは、日本ペインクリニック学会・日本整形外科学会の専門医である院長が、20万件以上の豊富な症例経験を活かして治療を行います。
心斎橋駅から徒歩1分とアクセスも良好で、完全予約制のため待ち時間も少なく通いやすい環境です。
中村AJペインクリニックの帯状疱疹治療では、外来で簡単に受けられるブロック注射を推奨しており、注射後はすぐに帰宅可能です。
実際の症例写真では以下の経過を確認できます。
【治療4カ月後】皮疹と赤みが残るが徐々に改善傾向
【治療5カ月後】皮膚の隆起が平らになり始め、治癒が進行
【治療7カ月後】皮疹が完全に消失し、痛みも改善
まとめ

お腹の帯状疱疹は比較的多い発症部位で、片側性と帯状の分布が特徴的な症状です。
初期の痛みから水ぶくれ、かさぶた形成まで段階的に進行し、かさぶたになってからは多くは3週間以内に治癒します。
合併症リスクもあるため、お腹の片側に違和感を感じたら早期受診しましょう。
お腹の帯状疱疹なら、中村AJペインクリニックへお気軽にご相談ください。
記事監修医師プロフィール

中村AJペインクリニック院長
中村 純
アメリカニューヨーク州コロンビア大学 医学部大学院 卒業
米国外科専門医(災害外科・形成再建外科
日本ペインクリニック学会 専門医
日本整形外科学会 専門医
厚生労働省医政局 麻酔科標榜医